腎臓と心臓の悪いおばあちゃんの『人工骨頭置換術』
はじめまして、最中(もなか)と申します。
わたしは現在アラサー、実家暮らし。
元介護職で、現在は在宅でお仕事をしています。
おばあちゃんは、あと1年で90歳。
施設で転倒してしまって、昨日人工骨頭置換術を受けました。
ブログのいちばん最初の投稿から、こんな重い話です。
介護は子どもやそのパートナーがするもので、孫が関わるケースはまだまだ少ないと思います。
子どもがするにしろ、孫がするにしろ、働きながらの支援は難しいですし、わからないことだらけだと思います。
わたしは介護の仕事をしていたので施設に入るまではスムーズに動けましたが、いまでも「どうすればいいの!?」と思うことはたくさんあります。
家族の介護がはじめての人はなおさらだと思います。
でも、ほとんどの人がいつかは必ず直面することです。
今日は最初ですので、
- ブログを作るに至った経緯
- おばあちゃんが施設に入るまで
- 転倒してから手術に至るまで
- 今後の不安
について書こうと思います。
ちゃんと書くと長くなってしまうので、今回はざっくりと。
最後までお読みいただけると嬉しいです。
- 元介護職だけど、祖母の支援はわからないことだらけ
- 施設に入居するのはこんなに大変
- 居室で転倒、入院! 透析! 手術!
- 入院費の総額は!? 手続きは!? 施設には帰れる!? 不安もわからないこともいっぱい
- 「おばあちゃんとわたし」はこんなブログです
元介護職だけど、祖母の支援はわからないことだらけ
わたしがこのブログを作ろうと思った理由は、
- 祖母の支援に関する情報をまとめたい
- 病気や介護に関する情報を発信したい
という、2つの思いからです。
おばあちゃんは現在89歳。
つい去年まではヘルパーさんや訪問看護さん、デイサービスを利用しながら一人暮らしをしており、一人で受診にも行っていました。
しかし、加齢による年相応の物忘れや、家の中が劣悪な環境になったこと、転倒したことで動けなくなったことがトドメとなり、一人暮らしは限界ということで、施設を探すことになりました。
元介護職なので一般の人より知識はあるものの、施設についての知識はそこまで知識がなく。
短期間で入居先を探すのは大変でした。
3月に入り、おばあちゃんが居室で転倒してしまい、入院することに。
現役の時もよく耳にした大腿骨の骨折。
手術が要る。リハビリがいる。もしかしたら車いすになる。
もともと腎臓と心臓の悪かったおばあちゃん。
透析をはじめるギリギリの数値だったのですが、「腎臓に負担がかかるのでこのままでは手術ができない」ということで、手術の前に透析をすることに。
施設に入ってから、わたしがおばあちゃんの金銭管理をしているのですが、お金や制度については、わからないことだらけ……!
そのため、わたしが知ったり聞いたり経験したことをまとめつつ、わたしのように知識がなく困っている人の参考になれば、とブログをはじめることにしました。
施設に入居するのはこんなに大変
まず最初に言いたいのが、『みんながみんな素直に施設に入ってくれるわけではない』ということ。
おばあちゃんの場合、躁鬱をもっており、家族関係がよろしくなく、一人暮らしをしているけれど『施設には入りたくない』という考えの人でした。
その大きな理由として挙げられるのが、お金のこと。
おばあちゃんは昔お金のことでとても苦労していて、常にお金が無くなることに対しての不安を持っていました。
躁鬱を持っているがゆえ、過去に家族関係でトラブルがあり、同居は不可能。
そのため、孫であり介護の仕事をしていたわたしが、自然とおばあちゃんの支援をしていました。
ちなみにわたしもおばあちゃんが原因で病みかけたことがあります。
そのため、おばあちゃんが施設に入るときは、『もういよいよ一人暮らしが限界を迎えたとき』、という一択でした。
言い換えると、『有無を言わさず施設に入るしかなくなったとき』。
- 金銭管理が自分でできなくなった
- 一人で受診に行けなくなった
- 薬の管理ができなくなった
- 家に頻繁にネズミが出るようになった
- 転倒による痛みから何もできなくなった
と役満状態になり、施設を探すことに。
手順としては
- 本人を安全なところ(ショートステイ)へ避難
- 本人の金銭事情と心身状況に適した施設を検討
- 空きがある施設を探し、見学・入居を申し込む
- 施設側が本人と面会し入居を検討
- 施設側の入居会議が通れば契約
- 施設の種類によっては利用していた介護サービスの終了・福祉用具購入
- 入居日に本人を送迎する(タクシーとかで頼むこともできる)
- 家具や家電、荷物の搬入
- 施設によってはそのほかのサービスと契約・主治医変更
という感じ。
めちゃくちゃありますし、知識がなかったらまず「1」の時点で詰みます。
この辺も詳しく書きたいのですが、長くなるので割愛。
この危機に陥ったのが去年の12月だったということもあり、結果約1か月でスピード入居しました。
居室で転倒、入院! 透析! 手術!
おばあちゃんは膝が悪く、下肢筋力は年々低下。
入居前から転倒が徐々に増えていたけど、そこまで自覚がなく、面倒くさがりで歩行器を使わず歩いたり、目を離すと一人で動いてしまうことも。
椅子に座るときも後ろを見ずに座ろうとするし、腎臓が悪くて足は腫れてるし、そのせいか施設で靴を履かずに歩くことも……。
さらに骨がもろくなっており、転倒して骨折するのは時間の問題でした。
施設といえど、四六時中本人を見ているわけではありません。
それを十分に理解しているので、施設を責める気持ちは一切ないです。
むしろ安全で安心な環境でよかった、とこころから感謝しています。
もし仮にあのまま一人暮らしを続けていて転倒したとしましょう。
それはもう大変なことになります。
まず発見が遅れる。衛生面が最悪。転倒した場所によっては本人を運ぶことも難しい。
それから救急車を呼んで、自分で状況を説明して、薬や保険証や入院の用意をして……などなど。
その点今回はもちろん施設が救急車の手配をしてくださり、搬送先の病院で施設の方と落ち合いました。
詳しい説明は施設の方がしてくださっていましたし、処方箋のコピーも持ってきてくださっていたので、入院時も困りませんでした。
肌着などの用意も施設の方がしてくださったので、わたしは水を買って用意してもらった荷物と一緒に持っていくだけで済みました。
ただ、おばあちゃんはもともと腎臓が悪く、透析寸前。
心臓も悪かったため、手術は大きな病院でないと難しく、本来はすぐにする手術ができませんでした。
手術をすると腎臓に負担がかかるため、手術前に透析をすることに。
透析ってあの、時間とお金がものすごくかかる……やつ。
即障がい者手帳がもらえるというけど、医療費はどうなるんだろう。
急ぎのため、透析は首から。
術後改めて前腕にシャントを挿入する手術をします、と説明がありました。
骨折して手術となると、いろいろなリスクがあるため、整形外科の先生、麻酔科の先生からそれぞれ説明を受け、そこそこの量ある同意書に署名をして、いざ手術!
当初2~3時間と言われていた手術は、4時間半くらいかかりました。
その間はおばあちゃんがいた病室で待機。
人工骨頭置換術をするとき、麻酔は『全身』か『下半身』かの2択で、どちらもメリット・デメリットがあります(この辺りもくわしく書きたいけど割愛)。
今回は全身麻酔で行われました。
命に別状はなく手術はほとんど無事に済んだのですが、すぐにリハビリがはじめられないため、「歩くことは難しく、車いすでの生活になるでしょう」とのことでした……。
術後ICUで会ったおばあちゃんは、骨折したときよりも患部を痛がっていて、なんだかすごく、胸が痛みました。
入院費の総額は!? 手続きは!? 施設には帰れる!? 不安もわからないこともいっぱい
今のところ個室。手術が2回。退院までもう1か月はかかる。
週3回の透析。これは術後も続く。死ぬまで続く。
リハビリをしたとしても、歩けない。
……入居に際して歩行器、(中古を)購入したんだけど、車いすは買ってない。
あの時ばたばたした割にちゃんと良い施設を選んだので、今のところ施設を変わる必要はなさそうです。
と、いうのが、透析をしていると受け入れができない施設があるのです。
あとは、入院が長引くと退居になったり。
今の施設も原則は1か月以上の入院は待ってくれないという厳しめルールなのですが、事情を説明すると大丈夫でした。
当たり前かもしれませんが、施設に戻れる見込みがなければ退居になります。
『退去』=『次の受け入れ先を探す』
これって……めちゃめちゃ大変です。
幸い今の施設は透析の方もOKだし、送迎も対応可で、看取りまでしてもらえるので、本当にこの施設にして良かった……と思っています。
ただし、他の種類の施設に比べると、ちょっと割高。
本人がもらう年金だけでは施設の料金しか払えないので、医療費やその他の費用は本人の貯金から出すことになります。
それまでおばあちゃんが頑張っていくらか貯金はしていたし、保険にもちゃんと入っているとはいえ、とはいえ……!!
透析って、月40万とかかかるんだよね……?
ちょっと調べてみたけど医療費控除の制度は市町村によってなんか違うし、障がい者手帳を申請する手順もいまいちわからないし、あれ、車いすどうするんだろう。
購入? 中古、たぶんあるよね? 歩行器だってあったんだからあるよね?
でもたぶん歩行器よりも高いよね……?
無事に最初の手術が終わったのは本当に良かったけど、けど、けど、けど。
不安がいっぱい。わからないこともいっぱい。
でも、わたしはひとりじゃない。頼れる人たちがいる。
だからきっと、大丈夫。
これからもおばあちゃんの支援を続けられる。
「おばあちゃんとわたし」はこんなブログです
あと1年で90歳がくる”おばあちゃん”と、アラサーの”わたし”の ”支援” 奮闘記。
施設に入っているから、わたしがしていることは「介護」ではなくてせいぜい「支援」程度のものだけれど、それでもこんなに大変。
元介護職で、在宅で介護をしている人の大変さを知っているから、今も在宅で介護を続けられている人を本当に尊敬します。
ご自分もご高齢であったり、お仕事があったり、子育てがあったりするなかで介護をするのは、本当に大変。
それは当たり前のことではないし、無理をしないでほしいなと思います。
なぜならわたしは、介護する側の人が倒れたら終わりだと思っているから。
それも知識がなかったり、頼れる人がいなかったりすると、必ず限界がきます。
悲しいニュースは過去にたくさんありました。
実際に仕事でいろいろなケースを見てきました。
だからこそ、このブログをたまたま見た人が、あ、そんなこともあるんだな、と知ってもらえたら。
ほんの少しでも、変わるのではないかな、と。
元介護職・孫・実際におばあちゃんの支援をしているわたしの視点から、介護や医療にまつわるいろいろなことを発信できればと思っています。
文章も知識もつたないものですが、どうぞよろしくお願いします。
ここまで読んでくださりありがとうございました。